税務アフィリエイターの九頭(くず)です。
年末調整の時期になってきましたね。
この頃になると「扶養控除等の申告書」の書き方などを聞かれることが多くなります。
もう、税務の現場にいない人間なのに頼っていただけるのは嬉しい限りです。
この、扶養控除等の申告書で年末調整の扶養控除の金額などを決めるわけですが
皆さん、ご自分の親って扶養控除の対象にしていますか?
意外と盲点だったりしますが、自分の親が扶養の対象になるのなら、扶養親族に入れることで税金面でお得になります。
税法上の親を扶養家族に入れるメリット
親を扶養家族に入れる最大のメリットは先ほど挙げたように税金面でお得になることです。
どのくらいお得になりますか?
扶養控除の金額は以下の金額になります
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm
扶養控除は最低でも38万円になります。
ですので、税率が10%だとしたら38万円の10%の3万8千円も所得税が低くなります。
この場合だと住民税は3万3千円控除されますので、合計で7万円以上税金面でお得であることが分かると思います。
7万円税金が下がれば大分気が楽になりませんか?
親を扶養家族に入れる条件は?
親を扶養家族に入れるにも当然条件というものがあります。
条件は以下の通りです。
・配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)
・納税者と生計を一にしていること(生活費の出所が同じ、という意味です)
・年間の合計所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であること
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと(事業をしていなければ気にする必要はありません)
これらの条件を満たしていれば受けることが出来ますので
親と同居していて、生活費は自分が出している
という方は親の収入次第では扶養に入れることが出来ます。
親が年金をもらっているときは?
親が年金をもらっているという時は、以下のようになります。
その年の収入が年金だけの場合
その年の収入が年金だけの場合は、その年の年金の合計額から下の金額を引いた金額が38万円以下なら扶養に入れることが出来ます。
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm
そのため、毎年送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」が必要になります。
こういうものです
⇊
上の説明で38万円以下かどうか?
が計算できないという方はこちらをご利用ください。
「公的年金等に係る雑所得」の欄が38万円以下なら扶養に入れることが出来ます。
年金以外の収入がある場合
ところで、親に年金以外の収入もある場合はどうすれば良いでしょう?パート収入とかも考えられると思うのですが
この場合は上の公的年金等に係る雑所得の金額に年金以外の収入を加えるんだよ
なので、お給料があるといった場合は給与所得の金額と公的年金等に係る雑所得の金額の合計が38万円以下の場合には扶養に入れることが出来ます。
健康保険で親を扶養に入れるメリット
親を扶養に入れる条件
親を扶養に入れる条件は親の年間の収入で見ます。
・60歳未満…130万円未満
・60歳以上又は障害者…180万円未満
かつ
・同居の場合は収入が扶養者の半分未満
・別居の場合は収入が扶養者の仕送額未満
といった条件が必要になります。
親を扶養に入れるメリット
親を扶養に入れることで親の健康保険の負担が無くなるというメリットがあります。
ただし、75歳になると後期高齢者医療制度による保険料は払うことになりますので、その点は注意しましょう。
親が別居していた場合に扶養家族に入れることが出来るか?
親が別居していた場合には扶養家族に入れることが出来るか?
結論から言いますと、どちらでも出来ます!
健康保険の場合には収入が扶養者の仕送額未満の場合に扶養にすることが出来ます。
税法上は常に仕送がされている場合には同一生計と認められて扶養にすることが出来ます。
以下は国税庁のHPの参考文章です。
地方に住む両親を扶養控除の対象とする場合
Q3
従業員が地方に住む両親を扶養しているとして「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してきた場合、会社(源泉徴収義務者)はそのことを何らかの書類により確認する必要があるでしょうか。
A3
別居している者を扶養控除の対象とするためには、常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要となります。法令上、源泉徴収義務者に対してこれを証明する書類等を提出することまで必要とされているわけではありませんが、正しい扶養控除の計算を行うためには、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受け確認することをお勧めします。
(所法2、所基通2-47)
引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180_qa.htm
こちらを読んで
あ、もしかして親を扶養に入れることが出来るかも
と思ったのなら会社勤めの方はまずは経理の方に相談してみましょう。
そして、経理の方は年末調整の時期などは大慌てですので、なるべく早めに相談してあげると良いでしょう。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
ここで、簡単なクイズです。
気軽にお読みいただければと思います。
次の内、実在するのはどれでしょう?
① 月収100万円以上の卓球コーチ
② 0から起業して月収1000万円を達成した元・安月給のサラリーマン
③ 自由な時間を過ごす年商5000万円の主婦