九頭(くず)と申します。
簿記3級が難しい…
簿記を学び始めた時にそう思う方も多いと思います。
私も高校に進学し、簿記を本格的に学び始めましたが正直最初はよく意味も分からずにやっていた記憶があります。
ちなみに中学のときは数学で100点満点中8点という大記録があるので
「数学=嫌い」
というイメージでした
しかし、高校の時から約5年間簿記を学び、その後は税法を本格的に学んだおかげで税理士試験に合格することが出来ました。
今回はそんな数学8点の状態から税理士試験合格までたどり着けた私が
・簿記3級を難しいと思う原因
・「簿記3級って難しい」を克服する5つの方法
をご紹介します。
簿記3級ってどのくらい難しい?合格率から探る
まず、簿記3級の難しさがどのくらいのものか?
実際の合格率を参考に考えていきましょう。
こちらは日本商工会議所のHP内の受験者データです。
参考:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class3
見てみると合格率は50%前後です。
しかし、実際に受験した中でも学校や会社に受験するように言われて嫌々受験している人も一定数いるはずですので、真剣に受験して合格した割合は50%よりも高い数字であると言えるでしょう。
そういう意味ではある程度の学習を積めれば決して難しい検定試験ではないと言えます。
しかし、一生懸命勉強したけど合格できない…
そんな方もいると思います。
次はそのような方が陥りやすい簿記3級を難しいと感じる原因をご紹介します。
簿記3級が難しいと感じる原因
簿記3級を難しいと思う場合は
・難しいと感じる原因を知る
・原因をつぶす
これを繰り返すだけで克服することが出来ます。
では、難しいと感じる原因にどのようなものがあるか?を挙げていきましょう。
単語の意味が分からない
簿記を勉強するとなると、日常では使ったことのない単語もいくつか登場します。
その単語の意味が分からないと頭の中がごちゃごちゃになって問題を解く意欲が失せてしまし結局難しく感じてしまいます。
いきなり「減価償却」とか聞いても
「何それ?美味しいの??」
って感じですよね
簿記一連の流れが把握できていない
この、簿記一連の流れが理解できていなくて簿記を難しく感じている方がとても多いように感じます。
簿記一連の取引とは
仕訳をする → 総勘定元帳に転記する → 合計残高試算表を作成する → 決算になったら決算整理仕訳をする
と言った流れなのですが、私が専門学校に進学したときも商業高校出身の方でこのことを理解していない方が多かったです。
この流れを教えてもらえないと苦労すると思います
特に日商簿記3級の第3問は
仕訳 → 元帳に転記 → 試算表の作成
を実際に行う問題ですので簿記の一連の流れが理解できていないとここで得点が伸びずに苦労してしまいます。
暗記に頼りすぎている
私が中学時代に数学が嫌いだった最大の原因がこれなのですが、暗記に頼り過ぎると簿記が嫌いになります。
言葉の意味や「借方が左側」「貸方は右側」などと言ったことは覚える必要はあります(勉強していると当たり前になってくるので意識的に暗記する必要はありませんが)
しかし、「なぜこの仕訳をするのか?」「なぜこのように計算して解くのか?」といったことは全く暗記する必要はありません。
何故なら理解することで暗記せずとも頭の中に入るからです。
そして
・暗記=短期記憶、応用が利かない
・理解=長期記憶、応用が利く
といった違いがあり、どう考えても理解して長期記憶した方が効率が良いです。
私は高校時代、テスト前に簿記の勉強だけは1分もせずにクラス1位を当たり前のように取ってました
理由は理解してるので勉強する必要性が全く無いからです
簿記だけでなく、数学も出来の良い人はあまりテスト勉強せずとも高得点を取ります。
これも同じように暗記に頼っていないからです。
理解をすると公式などを覚えなくても問題文を見るだけで算式が浮かんで答えが出るので覚える必要が無いのです。
そして、公式という「型」を持っていないので型にハマらずに応用問題なども解ける。
なので勉強しなくても点が取れるのです。
簿記もそれは同じで、問題集などを見ると「○○の算式」という公式のような者が載っているものも見たことがありますが、私は簿記に限って言えば公式や算式を暗記したことは一度もありません。
そして、実務で簿記を活かすとなると実務はイレギュラーなことが多いのでこの理解力をベースとした応用力が必須になります。
そうした意味でも「覚える」より「理解する」を心がけましょう。
試験問題の解く手順が分かっていない
試験問題を頭から解いてしまうのも難しく感じる原因の一つです。
試験問題には
・時間がかかるけど高得点の問題
・時間がかからないけど配点の少ない問題
などがあり、時間のかかる問題を後回しにし過ぎるとあまり時間を取れずに点数が伸びない原因の一つになってしまいます。
試験には制限時間があるのでそれを考慮した上で問題を解いていく必要があります。
簿記3級が難しい…そんな状況を克服する5つの方法
ここまで簿記3級を難しいと感じる原因を挙げていきました。
さて、原因が分かれば後は課題を克服するだけです。
解決策を挙げていきましょう。
知らない単語は調べる癖をつける
私の専門学校の同期の話ですが、国語辞典を持って授業を受けていました。
分からない単語は直ぐに調べるためです。
今ではネットで調べれば国語辞典を使わずにサッと意味を調べることが出来ますので、分からない単語が出て来て問題文の意味が分からない時は調べたり、人に聞く癖をつけておきましょう。
意味の分からない単語が無くなれば問題文が頭に入りやすくなりますよ
簿記一連の流れを把握する
簿記というものがどういうものか?
も理解しましょう。
実務だと
・領収書などを見て仕訳をする
・仕訳したものを総勘定元帳に転記する
・転記したものを集計して合計残高試算表に記入する
こういったことが日常で行われていて、決算になったら決算整理仕訳を入力する。
これが簿記の一連の取引です。
これが分からないと
問3の試算表が分からない…
といったことが起こってしまいます。
通常の仕訳を理解する
簿記は「帳簿記入」の略と言われています。
つまり、帳簿に記入する作業が簿記なのですが、その記入する作業は仕訳を通じて行われます。
仕訳を通じて記入が行われるので、仕訳の理解は簿記の理解に必須です。
そして、仕訳も誰かが思い付きで考えたわけではありません。
行われている取引を正確に帳簿に反映させるにはどのような仕訳をすべきか?
そうしたことを考えた結果が答案用紙に記入されている正解の仕訳なのです。
なので、問題文と答えを照らし合わせて
なぜこの仕訳が正解なのか?
を理解できるようにしましょう。
決算整理仕訳を理解する
通常の仕訳を理解できたなら次は決算整理仕訳の理解です。
正直な話、決算整理仕訳はいつも同じような仕訳しか出ないのでその気になれば解き方だけ覚えてしまえばそれで点数は取れるかもしれません。
しかし、最近の検定試験は時々合格率が低い回があるように、必ずしも毎回同じものが同じように出題される保証はありません。
なので、決算整理仕訳も通常の仕訳と同じようにきっちり理解しましょう。
ただ、決算整理仕訳の中には「なぜこのような仕訳をするのか?」が初めて簿記を学習する方には理解しがたいものもいくつかありますので最初は何となく理解で問題ありません。
繰り返し解き続けるうちに段々分かっていきますので、一歩ずつモノにしていくのがおすすめです。
効率の良い解き方を身に付ける
試験問題を解く順番も身に付けるようにしましょう。
私の場合は第3問から解き始め、4→5→1→2
という順番で解いていました。
第3問が一番時間がかかる項目だったので一番時間があるうちに解いておきたかったからです。
また、貸借が合わずに問題にハマってしまった時も
○○分経ったら次の問題に進んで時間が余ったら戻る
といった時間配分も身に付けておきましょう。
一か所に時間を使って残りの部分に手が付かなかったら合格しようがありませんので
・解く順番決め
・時間配分
は身に付けましょう。
難しく感じる原因は必ずある
出来ないと
自分には向いていないな
と思ってしまうかもしれません。
確かに向き不向きはあるでしょう。
しかし、向いていないからと言って合格できないものでもありません。
合格率を見ると50%を超えている回もありますが、半分以上の方が簿記に向いている方々であるとは到底思えません。
合格された方の中には向いていないけど努力して合格された方も必ずいるはずで、今難しいと思っていても分からない部分を一つ一つ潰していけば必ず合格点を取ることは出来ますので、まずは自分の苦手項目をつぶしていきましょう。