検定試験や国家試験で最初から解いていませんか?

税務アフィリエイターの九頭(くず)です。
この記事を書くきっかけは今から約1年前に遡ります。
日商簿記検定の合格を目指して勉強をされている方々がいらっしゃる場所にお邪魔させていただきました。
その時に問題を解いている様子を見て一つ気が付いたことがありました。

九頭九頭

多くの方が問1から問題を解き始めていました

合格するためには解く順番を意識することも大事になります。
今回は問題を解く順番についてお話させていただければと思います。

問題によって難易度・点数が異なる!

なぜ、解く順番を考えなければならないのか?
タイトルにもありますが、問題によって難易度・配点・かかる時間が異なります。
そのため、何の考えもなしに頭から解くのは効率の良い解答方法とは言えません。

試験問題の中には
・簡単で点数の高い問題
・難しいけど点数の高い問題
・簡単で点数の低い問題
・難しく点数も低い問題
など、様々な問題が配置されていますのでこれらの中で最も高い点数を取るためにはどのように解くのが効率が良いか?を考えていく必要があります。

税 金太郎税 金太郎

どういった問題から解いていくのが良いのでしょうか?

九頭九頭

それは試験によって異なるね

日商簿記検定3級の場合

例えば日商簿記検定3級などの場合は世間一般的に満点の狙える試験です。
ちなみに日商簿記検定3級だと出題パターンは簡単に言うと
・第1問(20点)
・第2問(10点)
・第3問(30点)
・第4問(10点)
・第5問(30点)
2~5は少し配点が変わる場合もありますがこのような感じですね。

日商簿記3級の場合は点数が高く時間のかかる第3問から解くのが効率的です。
先ほども述べたように3級は満点も狙え、合格率も3割を超えるような比較的合格しやすい試験ですので当然第3問も十分得点を稼げる試験です。
しかも第3問は大体合計試算表か残高試算表ですので貸借が合わずにタイムロスをする可能性があります。
残り時間が少ない状態だと慌ててしまう可能性もあるのでそういった意味でも第3問から解くのがおすすめです。

第3問を解いた後に次に同じように点数の高い第5問を解くのがおすすめです。
第3問と同じくらいの配点がされており第3問より時間がかからないので2番目にこれを解きます。
第3問と第5問で満点を取れればその時点でほぼ合格は確定ですので残った問題を安心して解くことが出来ます。

ちなみに九頭が3級を受験したときは
3→4→5→1→2
の順番で解いてました。

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九頭先生が3級受験してた時って大分昔ですよね?

九頭九頭

コラ、そういうことを言うな!!

当然ですが満点取れて当たり前、1時間あれば最後まで余裕で解ける、という方は頭から解いてしまっても問題ありません。

日商簿記1級や税理士試験の場合

日商簿記検定の1級や税理士試験はいわゆる落とす試験です。
基本的には大部分の受験生は不合格にして出来の良かった上位の10%程度の受験生を合格させる試験です。
最近は税理士試験の簿記論や財務諸表論は合格率のインフレもありますが。

これらの試験の場合には基本的には満点は見込めません。
必ずといって良いほど解くのが困難な問題があるからです。
なので、こういった問題の場合には基本的に解ける問題から解いていきます。
解ける問題が限られているから、ということと簡単な問題に点数が集中する可能性があるからです。

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簡単な問題に点数が集まる?

九頭九頭

そう、これは意外と知られていないことだよね

どういうことか?
合格率10%程度の試験は間違いないといって良いほど合格者を絞っています。
つまり、問題が簡単でも難しくても合格率を10%程度にしています。

逆に言うと、問題が難しくても10%位は合格させようとしてくるのです。
実際に税理士試験の各科目の合格率を見てみると多くの科目は合格率が10%程度です。
意図的に合格率を操作している可能性が極めて高いのです。

そして、どの試験も合格のための点数というものを提示しています。
簿記検定は70点、税理士試験は60点(税理士試験の場合には「合格点」ではなく「合格基準点」とあるので60点が「合格の目安」であって「合格点」ではない可能性があります)です。
点数を定めてる以上、10%位の受験生にはその合格点(合格基準点)を取らせる必要があります。
そうなると、全体的に出来が悪い場合はどうすべきか?
皆が出来ていいる簡単な問題に点数を集中させる必要が出てきます。
そして、その部分で人よりも高い点数を取っている受験生が合格者になれる可能性があります。
学校のテストでも点数が悪いと先生が赤点者を減らすために配点を工夫していたことってありませんか?
同じことです。

このことを決定づける出来事として、実際に九頭が体験した出来事があります。
九頭が初めて受験した日商簿記検定1級です。
この時は原価計算が難しく、多くの方は最初の3~4問程度しか正解できませんでした(実際の解答箇所は9~10か所)
九頭も最初の3問くらいしか解けなかったのですが、点数を見てみると25点中15点でした。

正解の数よりも不正解の数の方が多いのに点数は6割取れているのです。
明らかに点数が偏っていますよね。
逆に九頭が不正解の場所だけ正解していたとしたら10点です。
明らかにその10点部分の方が難易度は高いのに…
何とも不平等な話ですよね(笑)
こういったことが難しい試験では起こり得るのです。

最後に

今回は試験に合格する確率を少し上げるためのテクニックでしかないと思います。
一番大事なのはきっちり合格する実力を付けることですし、試験はその実力を付けるための手段ですので、そのことを理解したうえで勉強していくと良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。