九頭(くず)です。
ご訪問ありがとうございます。
税理士試験に3年連続で不合格になったある年、一つのことを試してみることにしました。
それはタイトルにもあるように、普段は右手で書いているけど左手で書いてみよう、ということでした。
九頭の最大の弱点は書くのが遅いことだった
左手で書こうと思った理由を知っていただく前に九頭の最大の弱点である書くスピードの遅さについて知っていただきたいと思います。
当時お世話になっていた専門学校では講義の前にミニテストがありました。
ミニテストとは?
前の講義の学習範囲から理論と計算の問題が出題されるんだ。
言うなれば前回の復習が目的だね
ミニテストは
・理論が20分~30分
・計算が5分~15分
で短いものは制限時間が25分程度、長いと45分程度のものでした。
通常2~3年目の受講者は5分前には終わっていることが多いのですが、九頭はいつも時間ギリギリでした。
もちろん理論はきちんと覚えてますよ
原因は理論の書くスピードです。
書くスピードが速く、きちんと理論を覚えている人は制限時間よりも5分以上早く終わります。
つまり、「25分」と書いてあれば20分程度で理論が終わって計算に行きます
一方の九頭は25分と書かれているものでも30分近く時間がかかります。
なので、理論はいつも5分くらい時間オーバーで、計算問題は計算過程を省略しつつ時間ギリギリに全部終わらせる状態でした
また、1年だけお世話になった法人税法の先生に
「問題量が多くなると点数が下がるのが気がかりです」
と指摘を受けたこともありました。
これも書くのが遅いからですか?
うん、皆が最後まで終わっているのに自分一人最後まで終わってないんだもん…
そんな九頭が自分に字の書く遅さで最も絶望したのは友達と遊びに行った時でした。
小学校時代からの友人で、当時その友達は大学生。
税理士試験とは全く無縁の友人です。
遊びに行った時に彼が紙に字を書いているのを見た時です。
あれ?
俺より速い、しかもキレイ…
そう
税理士試験の勉強で速く字を書く練習をして、ボールペンのインクを何本も切らしてきた九頭よりも税理士試験とは無縁の生活をし、速く書く練習を一切していない大学生の友達の方が字が速くキレイだったのです。
ちなみにその友達の書くスピードも普通だと思います。
ということは、九頭先生は練習をしていても普通のスピードすらないと…
そんな九頭ですので、当然ながら普段の答練でも理論は早く終わっても60分程度でした。
速い人は50分くらいで終わらせて計算に行きます
しかも、元から字がキレイな方ではありません。
それが
もっと速く書かないと!
という焦りから更に読みにくい字になり
と、注意されることもしばしば…
遅い、読めないの正に八方ふさがりの状態…
正直これでは合格するわけがない…
もう諦めた方が良いのでは?
本気でそう思ったこともありました。
しかし、悪あがきを一つ思いついたのです。
それが、左手で書くことでした。
なぜ左手で書こうと思った?
右手でダメなら左って何考えてるんだ??
と思う方も多いでしょうが、もちろん何の考えもないわけではありません。
1、そもそも九頭は生まれつきは左利き
九頭は生まれた時から左利きで、今でもスポーツは左利きですので、ボールを投げるときは左手で投げますし、野球でバッターボックスに立つときも左打席、卓球やテニスのようなラケット競技は左手でラケットを持ちます。
右手で字を書くようになったのは小学生の時に矯正したからで、生まれつきの利き手は左手なのです。
2、手が動く仕組みを考えてみた
九頭一人だけがあまりにも書くのが遅かったので
「なぜ自分一人こんなに遅い?」
という疑問から
「どのように人間の手が動くのか?」
を、中学生の頃に理科で習った程度の知識ですが考えました。
脳から「手を動かせ」という命令が出て、その信号が脳から手に伝わって手が動く。
という仕組みだったと思うので
もしや、利き手が左手だから脳から右手への神経伝達が脳から左手への神経伝達と比べて劣っているのでは?
と、考えたのです。
その結果
じゃあ、左手ならスラスラ書けるようになるんじゃない?
という結論に達したのです。
もちろん、左利きであっても右手でスラスラ書ける人もいるので個人差はあると思います
九頭先生は昔からかなり手先が不器用だから神経伝達機能は良くなさそうですよね
良くないだろうね…
ものは試しです。
早速、毎日30分、左手で書く練習をするようにしたのです。
結局どうなった?
毎日30分の書く練習。
年末年始には紅白歌合戦を見ながらひたすら左手で字を書きまくり、次の日の元日、左手に疲労がたまりまくって字を書けなくなった、ということも経験しました。
それでも次の日の2日には箱根駅伝を見ながら左手で字を書きまくり、なんとか左手をものにしようとしました。
続けた結果、少しずつ手が動くようになり、予想通りに右手よりも字がスラスラと書けるようになったのです!
やったー!
と思いたいところですが、そうは問屋が卸してくれません。
次なる壁にぶつかってしまいます。
今度はどんな壁に?
左手が右手より動くようになったのですが、とてつもなく字が汚かったのです…
考えてみれば右手の字も小学生の時からずっと字を書き続けてきた手ですからね。
一方の左手はずっと書くことをしていなかったわけで…
左手で書く字のレベルは九頭が小学校1年生くらいの時に書いていた字と大差ないレベルの字でした。
つまり、大人には見せられないレベルです。
しかし、右手より動く以上、この字のレベルを高めていくのがスピードを付けるためには最適の方法です。
そのため、日々の勉強時間の中で少しだけ左手で書く練習をしましたし、答練で理論を書いているときに決められた時間だけ左手で書く、ということもしていました。
そして、この左手の練習は予想外の終わり方を見せます。
左手の練習終了
税理士試験に合格するために毎日のように続けた左手で書く練習
・まずは左手で書くことに慣れ
・慣れたら右手よりも速く動くことが分かった
・後は字の精度を高めるだけ
といったステップで行ってきましたが、思わぬ形で終焉を迎えます。
その終わり方とは、練習の最中に4科目目まで合格してしまったことです。
始めた時は簿記論、財務諸表論の2科目合格でした。
しかし、始めて2~3年経ち、字の精度を上げないといけないと思っているうちに3科目の所得税法に合格し、4科目目の消費税法に合格してしまったのです。
その時に
あれだけ量の多い消費税法に合格できたのだからもういいか
と、左手で書く練習に一区切りをつけました。
残り一つの法人税は消費税より書く量は少なかったですからね
ちなみに消費税法の本試験は
・理論で約65分
・解答を記入する箇所を一か所間違えて訂正したので時間ロス
・計算の簡易課税が合っていたと思いきや実は間違ってた(どこを間違えたかは未だに不明)
・当然時間がないので人より空欄は多いと思われる
という状態でしたが合格出来ました。
なぜ、受かったのか?
と問われると
・理論で人より点数を取れた
・計算で簡易課税は間違えたが、その他の箇所を点の取れそうなところから解きに行き、最終的にそれなりの点数が取れた
というのが合格の理由でしょう。
そして、消費税合格の時に気付けたのが
遅くてもそれを補う実力を付ければ戦えるし、それが自分の戦い方なんだな
という結論に達しました。
中々合格できなかった低迷期、書くスピードを上げる
ということ以外にも、合格するにはどのように勉強すればよいか?
ということも常に考えていました。
こうしたアドバイスをもらっていたことも原因ですね。
消費税法でお世話になった先生のためになった言葉
「何回も落ちている人は勉強の仕方を変えないと受からないよ」
税法科目がどの科目も2年目以降に伸び悩みを感じていた自分に正に必要な言葉だった
実際受からなかったときよりも受かった時の方が勉強時間は短かったけど質は上だった
— 九頭(くず)@税理士試験と起業の情報発信中 (@zeirishikuzu) June 5, 2020
時間はかかりましたが、それが実を結んだ結果、スピードの無さを補える実力を身に付けることが出来たのです。
その証拠に全国模試でも、遅くても十分に他の受験生と戦えることを証明できています。
ただ、デメリットとしては答練などで簡単な問題が出るとスピードのある方にはやっぱり勝てません。
そもそも埋められる解答量が違うので仕方ないことです。
しかし、本試験は答練や全国模試よりもずっと難しいので答練の順位に関しては
ま、こんなものか
程度に眺めていました。
多くの受験生にとって書くスピードというのは合格するまでついて回る課題の一つかもしれません。
しかし、このように遅くても自分なりの戦い方を模索して実際に合格までたどり着いた受験生もいるということを知っていただきたくてこの記事を書きました。
ここまで読んでお分かりと思いますが、皆さんより九頭の方が書くスピードはずっと遅いと思います
なので、スピードに関しては多くの受験生は気にする必要がないのではないのかな?
ということに気付いていただくことと、反対の手で書く練習をするというレアな体験談をこの記事を読んで楽しんでいただけたのなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。